■はじめに

日本から炭坑が消えた2002年。
 石炭田跡、鉱山跡、プラント跡、建造物跡といった「産業遺構」は、大都市から山間部にかけて多数が現存します。
 こうした産業遺構を、地域再活性のための集客/観光施設化する取り組みが見られます。「空間通信」では、このケーススタディとして、鉱山跡を集客施設にリニューアルした全国の「マインパーク」を紹介してきました。
 はっきり言えば、かつての産業城下町の活性を取り戻すには総じて役不足というのが現実です。なかでも、安易なテーマパーク化を進めた施設ほど厳しい運営を余儀なくされており、もはや行政主導の第三セクター経営といっても破綻の可能性を否定できません。

 一方、産業遺構に手を加えるのでなく、朽ちて自然に帰っていくそのありのままの姿を見せる、いわばドキュメントタリーを集客資源とする考え方が注目されています。“手つかずの自然”ならぬ、人手が加わっていない廃墟を実際に探訪して、その雰囲気を楽しむといったトレンドが生まれているのです。

 そこで、本編では、産業遺構の集客施設化について、集客施設としてリニューアルした事例として、あくまでもその遺構が記憶している産業要素とのテーマ共通を図った場合、過去と途絶し新しい集客業態として再出発した場合、そしてありのままの産業遺構を訴求しようとしているグループの活動と現実のドキュメントを紹介します。
 また、長崎・出島再開発を例に、遺構そのものが失われた「歴史文化資源」の復元・再生による観光施設化についても、そのポテンシャリティについて考察してみました。

  ■マイントピア別子
  ■マインランド 尾去沢
  ■地底王国・美川ムーバレー
  ■ゴールドパーク串木野
  ■夕張市・「石炭の歴史村」
  ■産業遺構の活用を提唱する「グループ炭鉱夫」



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