■夕張市・「石炭の歴史村」

町の衰退に歯止めをかけるべく整備された、
夕張の観光都市化を象徴する本格的集客施設
「石炭の歴史村」とはいえ、施設の大半は非石炭のアミューズメント&アトラクション。
年間50万の入込を冬季以外の9ヶ月で集客



 炭鉱の閉山によって人口減と急激な過疎化が進み夕張市は、「炭鉱から観光へ」を合い言葉に、「ゆうばりマウンテンシティ計画」を策定し、観光・レジャー都市として再生に投資を集中した。
 この観光都市化を象徴する施設整備の第一弾が、ここで紹介する「石炭の歴史村」(以下歴史村)である。昭和55年(1980)に「石炭博物館」が先行オープン。全盛時の炭鉱内部を再現した模擬坑道が作られた。ここは、昭和29年(1954)に昭和天皇・皇后両陛下が夕張を訪問された際に整備された坑道で、この有効活用という意味もあったという。

 そして市制施行40周年に当たる昭和58年(1983)にアミューズメント施設を含む現在の形が完成した。グランドオープン当時は、北海道の土地柄から、屋外施設は雪の影響で半年しか見通せないことから、札幌市内にさえ屋外レジャー施設が存在していなかった。そのため、夕張での遊園地オープンは、北海道初の本格的なアミューズメント施設となり、大変好評を得たという。

 歴史村でも、平成12年(2000)にゲームセンターを「ゆうばり化石いろいろ展示館」にリニューアル、平成13年(2001)には「郷愁の丘ミュージアム」の第一期「生活歴史館」をオープンさせるなど、15を数えるリニューアルや新設での活性によって、リピートを狙っている。
 「レジャーパークの最新動向」では:周辺の旧産炭地が石炭遺構を集客誘致のアピールに積極活用しているのに比べ、夕張市は“炭鉱”“遺構”を活用した観光には積極的ではない。よって結果的に炭鉱、遺構に関係のない施設がほとんどであるにもかかわらず「石炭の歴史村」となっている。その集客性を確認した。

※誌面の一部を紹介します



「はじめに」へ戻る           「レジャーパークの最新動向」詳細へ

ライン


トップ