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『相互扶助のイノベーション』 失われた10年、失意の20年を受けて 混乱したマーケティングを立て直す 〜自動車販売再編期の活力向上のために〜 |
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■事例4:岡山県笠岡市 介護船「夢ウエル丸」(3)(概要版) |
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笠岡諸島は笠岡市のアイデンティティであり宝とする認識によって、「島をなんとかしなければ他の地域も支えられない、最も恵まれていない地域を支えられなければ、他の地域も支えられない」。これが笠岡市の福祉に対する基本姿勢である。島の振興は「島おこし海援隊」、行政で言えば「企画課」「離島振興班」的な組織が主導する。市の職員が島民になる。毎日、島に行って、島を拠点に生活して、島民や島の団体とコミュニケーションを持ち、島起こしのチャンス発見を10年間継続してきた。その成果が、NPOの創立をはじめ、移住者の斡旋、北木島における島内路線バスの整備などで、各島での住民ニーズを掘り起こした結果でもある。市のどこの部署にも所属せず、縦割りの垣根を越えて事業に取り組んでいる。子育て支援を例にすると、教育委員会の理解を得ながら、未就学児の通う幼稚園と保育園を一体化して運営する施設を4年前に飛島に整備した。 |
お話をうかがった同市健康福祉課(09年9月の取材当時)・網本善光さん |
今後、介護に関する施設サービスは陸上に設置、夢ウエル丸は介護予防の果たす役割を果たしていくことになる。顔見知りであっても顔を合わせて、入浴して体操や食事で楽しい時を共有するサロン的なコミュニティスペースになる。その程度にしかならないのか、との批判もあるそうだ。スタッフが送迎を行う夢ウエル丸は、在宅で自由に介護のサービスが受けられない高齢独居の人でも、家から出てサービスを受けられる。定期的に安否の確認ができるのも、夢ウエル丸ならではの機能だ。7つの離島に、福祉の拠点が機能する日まで、引退するわけにはいかないのである。島民の相互扶助の中で介護事業が立ち上がるその日まで、夢ウエル丸は今日も港へやってくる。 |
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両親が白石島の出身で、里帰りするような感覚があり、高齢者と触れ合うのに最初から抵抗はありません。島弁と言われる独特な方言があって、島によっては少し関西弁が混じったところもあり、島によって若干異なります。当然、気質も違っていて、きつい感じが強い島もあれば、穏やかに時間が過ぎていくような島もあります。 |
中塚さん。夢ウエル丸の事実上のリーダーである |
僕が乗り始めた平成7年当時、夢ウエル丸を知っていても、“船に頼まないと自分で世話ができないような不器用者”といった世間の厳しい目があったようです。そこで、明るく声をかけて誘うように心がけました。ベッドから動きたくない、風呂なんて入りたくない人には、いろいろな話題で和んでもらうようにしました。最初は難しい顔をしていたおばあちゃんも、“あんたが誘ってくれるならいこうかね”と笑顔を見せてくれるようになりました。今は約200人の相手をしていますが、人間関係ができています。 |
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