我々の次の目的地は長崎だった。今回の移動はクルマではなかったため、JR九州の看板特急・鹿児島本線の「つばめ」と長崎本線の「かもめ」を乗り継ぐつもりだった。 取材当日、偶然にも「マダム・バタフライ」の運行会社、ジェイオーシャン株式会社の鹿児島支店長上迫田守氏が、田畑支配人と打ち合わせのために来園しており、ご挨拶もすることができた。それが縁となって、長崎への移動は急遽海路、「マダム・バタフライ」利用となったのである。 取材終了後、田畑支配人自らが運転する車に乗せて頂き、菜の花が連なる道を10分ほど走って串木野新港に到着した。 |
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ここで簡単に船の紹介をしておこう。「マダム・バタフライ」は串木野−長崎館を3時間40分で結ぶ高速カーフェリーである。座席数381、一般座席のほか、リラックスルーム、ラウンジ、特別室も用意されている。運賃は片道で大人6,500円、小人3,250円、自動車航送運賃は車両の長さで定められており、ドライバー1名の運賃を含め3メートル未満で11,800円、4〜5メートルでは16,000円となっている。 「マダム・バタフライ」には"ITカーフェリー"というサブネームが付いている。何がITかというと、船内でノートパソコンを無料で貸し出しており、無線でインターネットを楽しむこともできるのである。 就航は2001年4月である。実はそれ以前にも同じ航路で運航していたのだが、船体トラブル等を理由に休航となり、2年5ヶ月ぶりに再開されたものである。 奇数日は串木野新港からは1日1便しか出ない。そのため乗客はそれなりにいるのではないかと考えていたが、港にはあまり人の姿はない。乗船手続きをして船に乗り込むと、新しいこともありきれいな船内である。一般席のシートピッチも余裕がある。 甲板に出て海を眺めたが天気が悪く、景観はいまいちであった。リラックスルームに行ってみると、そこは椅子のない、いわゆる一番下のランクの客室であった。毛布を借りることもできる。我々は連日の取材の疲労もあり、ここで長崎港到着までの間、休ませてもらうことにした。 2時間ほど熟睡したあと一般席に戻り、「IT」を体験するため、ノートパソコンを借りてみた。売店を兼ねたインフォメーションにいる女性スタッフに尋ねるとノートパソコンとモデム、取扱説明書を渡してくれた。ネットはスムーズにつながったが、かなり通信速度が遅くイライラしてしまい、結局それほど見ずに返却してしまった。通常のネット速度に慣れてしまっていると、少しでも遅いとすぐにイヤになってしまうのは困りものだ。しかし長い時間を船中を過ごす時のサービスとしてはいい発想である。 長崎湾に入ると、軍艦島や高島などの産業遺構が見えてくる。こうした途中の景観も、このコースの売りなのである。 |
「マダム・バタフライ」告知チラシ 「マダム・バタフライ」一般席 |
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【ジェイオーシャン株式会社】 ※運行時(2002年7月)のデータ 鹿児島支店 鹿児島県串木野市西薩町12 電話0996-32-0600 長崎支店 長崎県長崎市元船町17-3 電話095-828-0005 運賃 大人 6,500円 小人 3,250円 ○自動車航送運賃表
○時刻表
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