■ 現況

 同館は、現在、新津市の施設「新津地域学園」内の一角にある。同市はその位置づけを「生涯学習、文化・スポーツ活動など住民の自主活動の促進、住民福祉の向上、新津市独自で推進する地域学び振興のための活動拠点施設」と説明している。
 実はこの建物も元はといえば鉄道関連施設で、JRによって統廃合された「新津鉄道学園」の建築をそのまま、研修室、音楽練習室、体育館、多目的ホール、弓道場、グラウンドなどして活用している。1996年(平成9年)4月に、同館もここの1階部分に移転されて、再オープンしている。
(1)入館者
 新津市在住者が25%、県外客が25%、新津市以外の新潟県内からの来場が50%となっている。
 その数は、移転再オープンした平成10年移行、6,000人台に伸びて、その後も徐々に増加傾向にある。
 平成7年 4,800人
 平成8年 4,500人
 平成9年 3,500人(1〜3月は閉館)
 平成10年 6,000人
 平成11年 6,300人

(2)ゾーニング
 屋内展示では、21のテーマ別コーナーを設置。廊下の壁面等を、写真パネルの展示に活用している。
 そのテーマは次の通り。
 運転、新津駅、時刻表と記念乗車券、鉄道のあゆみと銘板、車輪とレール、電車・気動車・制御機器、連結器・制動機、なつかしの赤谷線、保線、電車・客貨車、保線車、お召し、機関車、信号と運転保安装置、新幹線、電化と電車線、防雪・建設、映像、制服と腕章、地方の鉄道、鉄道友の会
 このうち、防雪・建設、車輪とレール、鉄道の歩みと銘板、機関車、お召し、電車・客貨車、なつかしの赤谷線、連結器・制動機、地方の鉄道、時刻表と記念乗車券についての詳細が同館のウェブで紹介されている。

入り口にある館内案内図


(3)見学行動
 来場者はその関心や興味によって、目の付け所がはっきりと異なる傾向にある。
 まず鉄道ファン、これは列車のプレートや行き先を表示したサボ等に熱中する。同館開設に大きな役割を果たした鉄道事業者OBは、自分が現役当時に標準だった道具や設備類を懐かしがる。一般になると、そうした鉄道の産業資料より、ふるさとの様々な場所の情景が記録された鉄道写真に集まるという。
 また、子供は、展示内容が難しく感じるせいか、模型に熱中するというのは、どうやら全国共通のレスポンスであるようだ。

(4)誘致施策
 新津市では、年1回、「にいつ鉄道まつり」を秋に開催しているが、同館もまつりのテーマと連動して、入場料の割引や無料開放などを実施している。この日は、県外からの来場が増える最大のチャンスと位置づけている。平成12年は、10月26日のイベント開催日だけで300名の来場があったという。
 また、新津市周辺の自治体と共同で、夏休み期間、小中学生を対象とした「無料パスポート」の利用が可能な施設として登録。団体での見学以外での子供たちの来場をアピールしている。
 JRとのタイアップは、「SLばんえつ号」の運転期間、乗車手帳があれば入場料を半額に割り引いている。

新津コーナーの模型

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